最近健康志向の人が増えてきています。
健康の為に運動したりしますが、やはり一番大切なのは動物の身体をつくる上でかかせない、「食」です。
この食生活を改善するためにマクロビオティックを実践する人が増えてきてるようです。
マクロビオティックは食事法の一つで、玄米を主食とし、野菜、漬物、乾物を副食としたものです。
現代人の生活習慣病予防や体脂肪予防、肌荒れや疲れがとれにくいといった悩みに有効で、独自の陰陽論を基に、食事や調理法のバランスが考えられています。
以前は高価であると考えられていましたが、しっかりとものを見極めれば食費は減らせて健康にも良いといわれています。
現代では「現代病」といわれている多くの病気があります。
ガンや糖尿病、アトピー、アレルギー、肥満などさまざまです。
これは、動物性の食べ物やインスタント食品が増え、同時に食品添加物を含有する食品が増えたことにあるといわれています。
また飽食の時代なので、食べ物が溢れかえっている状態なので肥満が増えたりしているようです。
マクロビオティックは実践する人、語る人によって定義は異なるようです。ストイックに厳しくやる人もいれば、徐々に実践して慣らしていくという人もいるようです。
日本の現代人は外食産業の進出などもあり、外食(特に洋食)をする機会が増えました。
洋食などは脂っこいものも多く、脂肪分を多く含む印象を受けます。現代人は本来食物の中からあまり取る必要のない脂肪を摂りすぎているようです。
脂肪には2種類あり、飽和脂肪と不飽和脂肪があります。
前者は肉などに含まれており、摂り過ぎると、血管にこびりつき血管を硬化させ、心臓病や脳梗塞を誘発させることがあります。後者の不飽和脂肪は植物に含まれています。
オリーブ油などに含まれています。
生活習慣病の改善点として、タンパク質、動物性脂肪分、精製糖、食事の過剰摂取をやめ、植物性タンパク質や脂肪分を摂ることが有効です。よって、マクロビオティックは生活習慣病予防に最適な食事法といえるでしょう。
・マクロビオティックのポイント・
1)旬のものを食べる
「身土不二」という言葉がありますが、これは身と土が関連しているということです。人は生まれ住んでいる土地に生育しているものを、季節ごとに合わせて食べるのが健康維持の秘訣だ、という考え方です。これに基づき、季節ごとに合ったものを摂取するのが良いようです。
2)丸ごと食べる
「一物全体」という言葉があります。これは全体として分割されていない状態のことです。つまり、食べ物は全体で栄養バランスがとれていることが多いので、皮つき、根つきで食べる方がよい、という考え方です。現在は農薬が使われていることの方が多いので、これの考え方を取り入れるかは、実践者次第になります。
3)穀物菜食
これは、穀物と野菜、芋、豆、海藻類を中心とした食事のことです。比率としては、主食が5、副食の野菜、海藻類などが3〜4、魚介類を中心とする動物性のものは1割程度が最適のようです。
4)陰陽の調和
マクロビオティックの原理ともいえるものであり、また東洋の伝統的な世界観でもあります。中国の中医学や、インドのアーユルヴェーダにも通ずるものです。陰陽の「陽」の性質は、求心的、収縮的であること、下降性、動き、暑さなどです。陽の性質をもつものは身体を温める作用があります。
陰陽の「陰」の性質は、遠心的・拡散的であること、上昇性、静かさ、冷たさです。陰の性質をもつものは身体を冷やす効果があります。初心者にはなかなかわかりにくいものですが、育つ環境などが関連しているようです。たとえば、暑い土地で育つものが陰性、寒い土地で育つものが陽性、と考えてられます。また、固さや色なども関係するようです。例えばなすとにんじんを比べてみましょう。なすは柔らかく、紫色なので陰性です。にんじんは固く、オレンジ色なので陽性です。一概にはいえないようですが、それらのポイントに気をつけて食材選びをしてみるのも楽しそうですね。
細かく見ていくと陰陽論は尽きませんが、実践しながら徐々に知識をつけていくのが良さそうです。
5)よく噛んで食べる
これはマクロビオティックだけにいわれることではないですが、食事をするときの基本です。よく噛んで食べることで消化吸収率がアップします。よく噛まずに飲み込んでしまうと、せっかくさまざまなポイントに気をつけて作った料理の効果が半減してしまいます。よく噛むことは食事をする上で基本中の基本。毎日行うことだと疎かになりがちな行為ですが、今一度この基本に戻り、食事をすることの大切さの見直しを図るということもマクロビオティックの原理の一つです。
これらのポイントをみていくと、昔の日本人の食生活そのものがマクロビオティックに当てはまるのではないでしょうか。今でも精進料理など、肉を使わない料理が日本にはあります。日本人はとてもヘルシーな食事を昔からしていたようですね。私たち日本人には受け入れやすく、実践しやすい食事法なのではないでしょうか。これで、生活習慣病も防ぐことが出来、さらに美容的な観点からも有効なものです。最近では海外でも日本食はヘルシーで健康的だといわれることも多いので、日本人である私たちも率先して取り入れていきたいものですね。
さらにマクロビオティックについて知りたい方には、初心者にもわかりやすく、かつ論理的に書かれている「久司道夫のマクロビオティック入門編」という本をおすすめします。
マクロビオティックのメリットまとめ
1)健康維持に有効な手段であり、体力強化にもつながる。
2)美肌を維持することにも有効。また健康的にダイエットができる。
3)よく眠れるようになり、睡眠の質の改善にも役立つ。
4)体質改善(アトピーやアレルギー、肥満など)に役立つ。
5)成人病を予防できる。
6)気持ちを明るくし、いらいらを軽減。ストレスを減らすことも可能。
上記に挙げただけでもたくさんの効果を望めそうです。健康を維持するには、食事の形態を複雑にしていくのではなく、無駄をそぎ落とし、できるだけシンプルにした方が、自然に近くなり本来あるべき身体に近付くことができるのではないでしょうか。
マクロビオティックは芸能界、セレブの間でも流行し、取り上げられているようです。
最近海外セレブの間では、ベジタリアンの人などが見受けられますが、マクロビオティックを実践している人も多いようです。
海外セレブでは、最近来日したポール・マッカートニー、ブラット・ピット、トム・クルーズなど錚々たるメンバーが実践しています。
日本では、バラエティなどでひっぱりだこのベッキー、江角マキ子さんなどが実践しているようです。肉を極力控え、穀物や野菜中心であるとはいえ、皆さん一様に生き生きした印象で、エネルギッシュです。マクロビオティックのストレスを軽減させ、生き生きとした活動に有効、という特徴は当てはまっているようですね。
食品添加物やインスタント食品など、科学物質を含む食品が溢れかえっている現代に生きる私たちが、急にマクロビオティックのような自然志向の食事に切り替えるというのは、かなりハードなものです。特に若年層はこのような食品に触れることが多いので、若者ほどつらいものです。
人間が「美味しい」と感じるように配合されたものから、急に食生活を野菜などに切り替えれば、味気ないと感じてしまうでしょう。
こんな現代では、身体に良くないものを避け、健康を維持した方が効率的といえるでしょう。コンビニ弁当を食べずに、自分で作ったお弁当を食べる、など身近なところから徐々に変えていくのが、現代人に最も合っているのではないでしょうか。
日本人の食生活は、世界に誇れるようなものです。さまざまな創意工夫がなされ、健康にも良い。この文化を後世にも残していけるようにしたいものですね。