マクロビオティックという理論が広く知られるようになってきたのはごく最近のこと。
そもそもマクロビオティックという理論は、食文化研究家の桜沢如一が考案した食生活法・食事療法のことです。
マクロビオティックを3つのキーワードに分けてみてみましょう。
まず「マクロ」という言葉は、「大きい、長い」という意味です。
そして「ビオ」という言葉は「生命」という意味です。
生物学のバイオテクノロジーのバイオと同じ語源の言葉です。
最後に「ティック」は、「術、学」という意味です。
これらを全て合わせてみると、「長く健康に生きるための理論と方法」ということです。
これを実践するためには「広い視野で生命をみる」ということが大切です。
マクロビオティックの基本は「食」
動物性のもの、特に肉はあまり食べず、無農薬、自然農法の穀物や野菜を中心とした食事を摂ることがポイントです。
また、野菜は原則その土地のもの、旬のものを食べること。
メニューの一例として、玄米ご飯を中心に、わかめと油揚げの味噌汁、野菜の炒め物やきんぴらなど、旬の野菜のおかずを添えるとよいです。
おかずは食べ過ぎないで、食事の半分はご飯などの穀類にするのが大切です。
肉類のほか、大型の魚や卵、乳製品や砂糖は控えましょう。
マクロビオティックを実践するにあたって、大切なキーワードがあります。
その一つが「身土不二」。
体(身)と環境、土地(土)は切り離すことができない(不二)という意味です。
人が健康に暮らしていくには、その土地、その季節に合ったものを食べるのが最適であるという考え方です。
そして「一物全体」
これは一つの食べ物を食べる際は、丸ごと食べたほうが良い、ということです。
食べ物は全部でバランスを取っているので、例えば大根であれば、真ん中の白い部分だけ食べるのではなく、葉の部分も根の部分も全て食べることで初めてその食べ物の栄養を摂取できるということなのです。
調理方法をいろいろと考えると実践できそうですね。
最後に「陰陽調和」
これは昔から東洋に存在する伝統思想です。
食べ物に当てはめると、体を温めるものは“陽”、冷やすものは“陰”性に当たります。
暑い季節には陰性の食べ物、寒い季節には陽性の食べ物を食べると、体が季節とバランスがとれるので、体調を崩しにくくなります。
「陰陽のバランス、調和が大切である」という考え方です。
全体を見てみるだけでも、すこし複雑で難しそうではありますが、「病気を防ぐためにも食生活から改善したい!」と思うだけでもすばらしいことです。
まずは少しずつ変えてみるということが大切です。
徐々に慣らしながら実践してみましょう。
マクロビオティックの原則は思うほど多くはありません。
しかし、食生活や健康面だけでなく、さまざまな事柄にも応用できる理論です。
最近クローズアップされつつある、「ホリスティック(包括的)」な見方、考え方にも一致するものです。
視野を広げてみることが大切ですね。
マクロビオティックを実践していくと、以下のようなメリットがあります。
<身体面でのメリット>
・健康を維持し、体力を強化する
・美肌を作り、健康的にダイエットできる
・良く眠れるようになる
・体質改善ができる(便通、ニキビ、吹き出物、冷え性などの改善)
・良い体質を子どもに残し、引き継ぐことができる
・成人病を防ぎ、アンチエイジング効果もある
・糖尿病、ガン予防や血圧を正常値にする、血行がよくなるなどの効果がある
<精神面でのメリット>
・気持ちが明るくなり、ストレス軽減につながる
・精神的に強くなり、気力がアップする
・頭が冴え、判断力も向上する
<社会的な面でのメリット>
・自然な農業や土地を守ることで、エコロジーにつながる
上記のようにさまざまなメリットがあります。
特に身体的な側面のメリットはたくさんあり、実践したくなってきますね。
お家にいながら実践するのも大切ですが、なかなか実践できないような時代に生きている私たち。
無農薬野菜を手に入れるのも大変そうだし、なによりコストがかかりそう…と思っている方もいるかもしれません。
そこで利用したいのがマクロビオティックを扱っているレストランやカフェ。
都内にはいくつもお店がありますが、今回はその一部をご紹介します。
・The BIOKURA
東京都渋谷区神宮前5−53−67 コスモス青山ガーデンフロア B2F (11:00〜21:00)
マクロビオティックの食材などが通販で買える「BIOKURA style」が運営するカフェ。
オーガニックのコーヒーやお茶などのドリンク、オリジナルスイーツや玄米おむすびセットなどが楽しめます。
・Brown Rice Cafe
東京都渋谷区神宮前5−1−17 グリーンビル1F (11:30〜21:00)
マクロビレストランの代表格であり、食材を買える「Brown Rice Deli おもて」という姉妹店もあります。
割と小さなお店なので、一人ランチなどにもおすすめです。
現在はリニューアル中なので一時閉店中ですが、9月上旬にリニューアルオープンするとのこと。
一度は行ってみたいお店です。
・チャヤマクロビ
伊勢丹新宿店/日比谷シャンテ店/ロイヤルパークホテル・ザ・汐留店
マクロビオティックの通販、「CHAYA」のレストラン、カフェ、デリのお店。
ランチプレートや女子会パーティープラン、店舗限定メニューなど、さまざまなプランを展開しています。
友達と一緒に行ったりすると、楽しめそうですね。
上記以外にも都内を中心にたくさんのお店があるので、チェックしてみてくださいね。
マクロビ的「お手当」について
マクロビオティックには、陰陽論に基づいた“お手当”というものがあります。
「風邪をひいたら首にネギを巻く」とか「のどが痛い時は、しょうが飴や大根飴をなめる」など、いわゆる民間療法です。
これらは主に自然の食材などを用いて。
体の不調を整えるものです。
自然の力で治す、つまり自然の力を借りて、体の陰陽バランスを整えるということです。
現代は、病院に行って薬を処方してもらったり、ドラッグストアで市販されている薬を服用したりと、なにかと薬を飲む傾向にあります。
確かにこの“お手当”には、手間がかかるし、即効性もあまりなく、ゆるやかに効いていくものなので、なかなか治りにくいというのも事実です。
しかし、薬を飲むことで起こる、副作用の危険性についても考えなければいけません。
人間も野生に生きるライオンや猿などさまざまな生物と同じ“動物”に属していることは言うまでもありません。
人工的で化学的なものは、やはり私たちの体にはなじみにくいものです。
「何を使っているのか」ということも、複雑な化学反応のことを理解するのも難しいことです。
だからといって「自然のものだけを使えばいい!」と極端に考えてはいけません。
すべての不調が“お手当”だけで改善するわけでもなく、西洋医療の力ももちろん必要になってきます。
大切なのは、“バランス”です。
どちらか一方に偏るのではなく、バランスよく双方を取り入れるのがよいでしょう。
このように「視野を広げて」考えましょう。
マクロビオティックの“お手当”は、前述のとおり陰陽論に基づいているので、体質や食品だけでなく、体に起こる症状にもそれぞれ“陰”と“陽”があります。
陽性の症状の場合には陰性のお手当を、陰性の症状には陽性のお手当をするなど、偏ったもののバランスを整えるように施すことがポイントです。
いかがだったでしょうか。
マクロビまとめ
マクロビオティックを生活に取り入れるということのメリットが見えましたか?いろいろな理論がでてきているので少し複雑に感じるかもしれませんが、要するに「自然と調和し、バランスをとる」ということが重要です。
現代に生きる私たちは、一方に偏り過ぎてしまい、体調を崩すことが多いです。
体に表れる症状は“サイン”でもあります。
体の声に耳を傾けて、しっかりと向き合ってケアしてあげましょう。
日頃私たちが活動していられるのは、私たちの体の内部、外部すべてが絶え間なく活動しているからなのですから、しっかりと手をかけてあげましょうね。